【六本木】創業45年。そこにはいつも、やさしい味と家庭的なぬくもりがあった。

グルメ・レシピ

筆者自身も10年以上通い続け、何よりも大切で大好きな喫茶店であった、紗絵羅。そんな紗絵羅が今年7月、創業45年という歴史に幕を下ろしました。今までの感謝とともに、紗絵羅という素晴らしきお店について、語ろうと思います。

⇒ おすすめ!『グルメ・レシピ・スイーツ関連情報』はこちらから

紗絵羅との出会い

19歳の夏。スーツとヒールのあるパンプスに身を包み、ピシッと気を引き締める。少し重たいカバンを持ち、ドキドキしながら新幹線で東京へ向かう。就職活動で静岡から何度も都内へ足を運び、慣れない東京の街を歩き、たくさんの路線であふれる迷路のような電車を乗り継ぎました。その日の夕方、面接を終え疲れ果てた筆者は、珈琲とおいしいケーキを食べながらちょっと休憩したいなと思い、近くの喫茶店を探すことにします。それが紗絵羅との出会いであり、今後の人生を明るく照らす存在になるとは知らず・・・。

紗絵羅は、都営大江戸線六本木駅の7番出口から徒歩5分ほど、日比谷線六本木駅の6番出口からは徒歩3分ほどの場所に店を構えます。一風堂と銀だこがある細い路地に、隠れ家のように存在する昔ながらの喫茶店。様々なカフェやチェーン店であふれるこの時代に、手作りケーキとこだわりのコーヒー、軽食がいただける家庭的な喫茶店。営業時間は、コロナ禍以前は夜23時半まで。もはやそれだけで興味が沸きます。超がつくほどの方向音痴な筆者は、六本木交差点の周辺をぐるぐる、ぐるぐる。あっちに行き、こっちに行き。道に迷いながら何とかたどり着いた時には、汗だくながらも感動ものでした。

昭和レトロな世界

お店に着いてまず目にとびこんでくるのは、店前にひときわ目立つ存在感を放つ、ショーケース。その中には、喫茶店とは思えないほど種類豊富なスイーツやケーキがずらりと並べられています。(写真はすでに商品がほとんど残っていない状態の日でした。)すべて手作りとは、驚きです。筆者は喫茶店やカフェが好きで普段からよく巡っているのですが、 個人店の中で言えば、紗絵羅ほどに力を入れ手作りにこだわる喫茶店に未だ出会ったことがありません。今日は何があるかなー☆とわくわくしながら、思わず覗き込むのが日課。何度通っても、これだけはやめられません。老若男女問わず、道行く人が皆同じように紗絵羅のショーケースを眺めるのです。子供のように、キラキラした目をして。

扉を開けて中へ入ると、優しいマスターやスタッフさんが「おかえり。」「いらっしゃい。」とまるで家族や友人を迎え入れるように、気さくにあたたかくお出迎えしてくれます。筆者が座るのは、出口に一番近いカウンター席。店内を見渡せて、自分の時間をゆったりと楽しむことのできる、カウンターの隅っこに座るのがとても好きなのです。ここで、店内のオススメポイントをご紹介。ふと上を見上げれば、素敵なステンドグラスの天井が広がっております。やわらかな日差しのようなオレンジ色。ずっと見ていても飽きません。

夏は左手にある大きな水出し珈琲の器具を眺めながら、冬は目の前のサイフォンを眺めながら、オーダーをした商品を待ちます。キッチンから聞こえてくる、卵を焼くジュワーっという音、チキンライスの甘酸っぱい香り、ココロおどる珈琲のさわやかな香り。スポンジケーキを焼く、あの良い香り。心地よく聞こえてくる常連さんやお客様の談笑、マスターやマネージャーさんとの会話。紗絵羅で過ごす時間は常に穏やかで贅沢なひとときでした。

初めて訪れた日。初めて見る大きな大きな、水出し珈琲の器具に釘付けとなっていた筆者。そんな筆者に優しい笑顔で「面白いよね、コレ。眺めちゃうよね。」とマスターが話しかけてくださったこと、今でも深く記憶に残っています。この日を境に、東京へ訪れるたびに必ず紗絵羅へ向かい、東京に住んでからもほぼ毎週のように通うようになりました。どんな瞬間も紗絵羅へ行けば、時には家族のように、時には友人のように、時には人生の先輩として、ぬくもりあふれるマスターやスタッフさんが出迎えてくれる。家庭的で美味しい紗絵羅のケーキと珈琲は、口に運べば自然と笑顔になり元気が出る。紗絵羅というお店は、筆者の心のよりどころでもあり、都会の人々や六本木という街を愛する人々の心のオアシスとして、その長い年月を共に歩み、こよなく愛し、愛され続けてきました。

⇒ おすすめ!『グルメ・レシピ・スイーツ関連情報』はこちらから

手作りケーキと珈琲

ケーキセットを頼むのがいつもの流れなのですが、そのケーキセットをオーダーをする際、スタッフさんがすかさずサンプルを席まで持ってきてくれます。名前や見た目だけで決めてしまうのは、お客様にとって想像していたものと違うという展開もありえます。実際に目の前で本物を見せていただけて、質問をしたならば詳しい説明をしてくださる。一番のポイントは、目の前で選べるワクワク感ではないでしょうか。マスターの配慮が行き届いた、このすばらしいおもてなしとホスピタリィティーには終始、感動と驚きでいっぱいでした。そして、季節や日によって商品が変わるのも魅力的。

下の写真は、筆者がオーダーする”いつものアレ”です。カフェオレのホットと、不動の人気ナンバーワンである、バナナパイ。ホットを頼むくせに、猫舌のため熱々は飲めない。気づかれないようにしていましたが、その瞬間、可愛らしい容器に入れたミルクを運んできてくださりました。スタッフさん、さすがです。よく見ていらっしゃる。次に訪れた際には、「あつあつは飲めなかったよね。」と、ほどよい温度で提供してくださり、これまた感動。覚えていてくれたんだなあと、そのさりげない気遣いに嬉しくなりました。

仕事の話や近況報告をしていたとある夜、味や食感に変化があったことに気が付いた筆者は、マスターに質問してみたのです。「配合変えましたね。マスターはどこで修業されたのですか?」と。実は、休みの日にはマスター自ら、いろんなお店へ足を運び、食べ歩きをしているそう。「次はこんなのを作ってみようとか、あれを材料に使ったら美味しいんじゃないかとか、いろんなものを食べて味の研究をする。失敗も多いけどそうやって試行錯誤を繰り返すことが日々の修業に繋がっているんだよ。」「ただ、男一人で行くのは毎回、恥ずかしいんだけどね。」とそっと教えてくれました。だからこそ、変化に気づいてもらえたり、美味しいと言ってもらえることが何よりも嬉しくやりがいなのだと。スイーツ作りに対しどこまでも熱心で研究家のマスター。筆者にとって、今もこれからも尊敬し続ける方の一人です。

そんな愛情たっぷりの紗絵羅の手作りケーキは、どれもこれも本当に美味しく、何度食べても飽きることを知らない。今日は何を食べようかと悩みに悩んだ結果、店内でも食べていくけれど毎回テイクアウトするように。時には全種類を一個づつ、買って帰ることも。写真は上から、かぼちゃタルト、アップルパイ、ガトーショコラ、よくばりチーズケーキ。ここでしか絶対に食べられない、他店と一味も二味も違った味の良さと変化球。筆者はもちろん友人たちも、美味しさに終始唸っておりました。

さいごに

飲みの後の〆に、紗絵羅。仕事の打ち合わせに、紗絵羅。夜な夜な友人と語らう時に、紗絵羅 。たくさんの人に愛され、ひとりひとりにとって特別な喫茶店であった、紗絵羅。そんな紗絵羅が今年7月、創業45年という歴史に幕を下ろしました。ファンとしては悔しさと残念さが心残りですが、穏やかで平和な日常が戻り、いつの日か必ず復活をしてほしいと、心よりそう強く願うばかりです。

⇒ おすすめ!『グルメ・レシピ・スイーツ関連情報』はこちらから

合わせて読みたい!

⇒ まるで天使のような歌声♡復活を願う声が続出!!今後大注目のミュージシャン☆【かわいえいじ】の魅力に迫る!!⇒ もうダメかもしれない。【仕事で悩んだときに】そっと自分に問いかけてみてほしい、3つのこと。
0

コメント

グルメ・レシピ
MASHUP(マッシュアップ)